特集 外来診療・小外科マニュアル
Ⅱ.頭部・顔面・口腔・咽頭
13.口腔外傷
白幡 雄一
1
Yuichi SHIRAHATA
1
1新小岩耳鼻科クリニック
pp.46-47
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902890
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疾患の概念
外力や熱,電気,アルカリ,酸,腐蝕剤などによる口腔軟組織の損傷である.
口腔領域は表面は粘膜で覆われ,小唾液腺や大唾液腺の存在に加えて,歯牙に関連する組織など解剖学的にみて複雑な構造をしている(図1,2).粘膜には毛細血管が豊富に存在しており,創傷が治癒しやすい反面,創傷が深い場合は著しい出血や腫脹(血腫)をきたしたり,口腔常在菌などによる重篤な感染症を引き起こす危険性がある.このことは口腔外傷はたとえマイナーな外傷といえども軽々しく考えてはならないことを意味しており,その処置においては創の広がりと周囲組織との解剖学的位置関係などをしっかりと把握してかからなければならない.以下,一般的な概念での口腔軟組織外傷に限って記述する.
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