特集 外来診療・小外科マニュアル
Ⅱ.頭部・顔面・口腔・咽頭
10.にきび(尋常性痤瘡),面疔(せつ)
堀尾 武
1
,
原田 暁
1
Takeshi HORIO
1
1関西医科大学皮膚科
pp.38-39
発行日 1997年10月30日
Published Date 1997/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902887
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A.にきび(尋常性痤瘡)の概念
にきび(尋常性痤瘡)は脂腺性毛包を侵す疾患で,その病理発生は面皰形成と炎症惹起の2段階に分けることができる.
思春期になると男性ホルモンの作用により皮脂腺の機能は亢進し,脂質の生合成が増大,さらに毛包漏斗部の角化異常により微小面皰が形成される1).これは毛包管内に皮脂成分,皮膚と毛包の常在菌である痤瘡桿菌(Propionibacterium acnes)などの細菌,角化物質などが停滞し,小嚢腫を作った状態であり,これが更に大きくなって肉眼的に皮疹が観察できるようになった状態が面皰である.
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