シリーズ 早期癌を見直す・2 早期大腸癌・3
早期大腸癌診断の最前線—②内視鏡・超音波内視鏡—深達度診断を中心として
清水 誠治
1
,
多田 正大
2
,
川井 啓市
2
Seiji SHIMIZU
1
1京都第1赤十字病院胃腸科
2京都府立医科大学公衆衛生
pp.83-88
発行日 1996年1月20日
Published Date 1996/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902194
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1 存在診断
早期大腸癌の診断には注腸X線検査と内視鏡検査が主に用いられているが,病変の存在診断においては内視鏡検査の方に軍配があがる.とくに最近注目されている表面型大腸癌を発見するうえでは色調を捉えることのできる内視鏡が決定的に有利である.内視鏡検査では盲点のない観察に努めれば隆起型の病変の存在診断は容易である.これに対し,表面型病変の存在診断には淡い発赤や褪色のような色調変化,弧のわずかな変形,血管透見像の消失,白斑,自然出血といったより詳細な観察が要求される.つぎに少しでも病変の存在が疑われれば労を惜しまず色素散布を行うことが重要である.
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