Japanese
English
特集 外科医のための緩和ケア
緩和ケアにおける対症療法としての外科治療
Surgery for palliative care
松岡 寿夫
1
Toshio MATSUOKA
1
1国立西埼玉中央病院外科
キーワード:
緩和ケア
,
QOL
,
外科的治療
,
インフォームド・コンセント
,
手術適応
Keyword:
緩和ケア
,
QOL
,
外科的治療
,
インフォームド・コンセント
,
手術適応
pp.1569-1574
発行日 1995年12月20日
Published Date 1995/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407902156
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
癌患者に対する対症療法としての外科的治療も,ある条件が満たされれば癌性疼痛に対するモルヒネ剤と同様に苦痛を緩和し,患者のquality of life(QOL)を高めることができる.その条件とは,インフォームド・コンセント,手術の適応,時期,適切な手術法などである.まず病状について真実を知ったうえでの同意,自己決定が患者の人権を尊重するうえでも必要である.(1)消化管閉塞にはバイパス手術,人工肛門造設術,腸瘻,胃空腸吻合術,(2)黄疸に対してはPTCD,胆汁外瘻,内瘻造設術,(3)排尿障害に対しては腎瘻造設術,TUR,尿管皮膚瘻造設術,(4)出血・狭窄に対しては腫瘍摘出術,栓塞術,(5)脳圧亢進に対してはY-Pシャントなどが行われる.患者に病状を詳しく説明し,患者自身が手術を受けることを自ら決めることが大切である.手術後2週間ぐらいで退院でき,QOLの高められた3か月の生存期間があれば理想的な手術ということができる.
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.