特集 施設別/新・悪性腫瘍治療のプロトコール
Ⅹ.肺癌治療のプロトコール
(1)東北大学加齢医学研究所附属病院外科
佐藤 雅美
1
,
斎藤 泰紀
1
,
近藤 丘
1
,
谷田 達男
1
,
藤村 重文
1
Masami SATO
1
1東北大学加齢医学研究所外科
pp.261-269
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901700
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本稿において扱う当科の肺癌治療のプロトコールは,治療効果が確立された一般的な標準治療のプロトコールと,未だ治療効果に関しては研究の領域にあるclinical trialが含まれる.clinical trialには,①ほかに最もよいと思われる治療法がないが,現在までの成績では良好な成績が確認しえないもの,あるいは若干の改善が期待されるが検証中のもの,②早期肺癌に対する区域切除術のように良好な成績が期待できるが,現在,効果が検証作業中のもの,などが含まれる.症例ごとの適応に関しては,標準的治療かclinical trialかに分けて考える必要があると思われる.表1にこれらを示す.一方,肺癌患者の治療法を決定するには,肺癌のbiologicalbehaviorからの諸因予と,機能的に耐術可能かを同時に評価しなくてはならない.したがって,実際の治療法決定はこの両者を考慮したうえで行われる.
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