特集 Dos & Don'ts外来の小外科
Ⅸ.その他
4.妊婦の外傷
伊藤 博之
1
1聖路加国際病院産婦人科
pp.306-307
発行日 1993年10月30日
Published Date 1993/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901406
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妊婦は,非妊婦に比しバランス悪く,不安定で,容易に転倒などにより外傷を受けやすい.外傷の原因にはいろいろあるが,最近では交通事故によるものが増加しつつある.ここでは,妊婦でとくに問題となる腹部外傷(abdominal trauma)を中心に述べる.妊婦の外傷の際,特異的なのは母児両方の救命を同時にはかることで,そのため救急チームに産科医や新生児科医の参加が求められる.腹部外傷での胎児死亡の原因のほとんどは胎盤早期剥離であり(表1)2),軽症で1〜5%,重症で20〜50%に発生する.
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