双葉性顔面動脈粘膜皮弁により再建した咽頭皮膚瘻の1例

Reconstruction of pharyngeal fistula using facial artery bilobular mucocutaneous island flap: A case report

　はじめに

　顔面動脈粘膜皮弁は，1983年にSasakiらが，axial island cheek flapとして報告して以来，頸部食道の瘻孔や狭窄に対し利用されている．しかしながら，頸部食道瘻孔では粘膜欠損部と皮膚欠損部がずれていることがあり，このような場合には，粘膜弁と皮膚弁が分離していると利用しやすい．今回われわれは，顔面動脈粘膜皮弁を粘膜弁と皮膚弁の双葉性とし，咽頭皮膚瘻に利用して良好な結果を得たので報告する．