前立ちからみた消化器外科手術・23
腹腔鏡下胆嚢摘出術おける前立ちの基本操作(1)
早川 直和
1,2
,
二村 雄次
1
1名古屋大学医学部第1外科
2国家公務員等共済組合連合会東海病院外科
pp.357-361
発行日 1993年3月20日
Published Date 1993/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901128
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腹腔鏡下胆嚢摘出術(以下,LCと略)は,1987年フランスの開業医であるムレにより開発されて以来,燎原の火のごとく全世界に広まりつつある手術手技である.従来,胆嚢結石症治療の goldstandardとされてきた開腹下胆嚢摘出術(以下,OCと略)に比べて,術後の創痛が少なく,社会復帰が早い,美容上優れている,入院期間が短くcost-benefitの点でも優れているなど多くの利点があることは衆目の一致するところである.
現時点での最大の欠点は胆管損傷などの重大な合併症が多いことである.胆石治療の新しい選択肢であるLCが従来のOCにとって代わるには,同じ安全度で行われることが必要である.今回から2回にわたり,教室で行っている腹腔鏡下胆嚢摘出術の基本手技と,前立ちと鉤引き(laparosc-opist,腹腔鏡持ち)の基本操作について述べる.
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