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特集 悪性腫瘍治療の現況—他科では今
自己血輸血の考え方と消化器外科への応用
Autologous blood transfusion and its application to gastroenterological surgery
湯浅 晋治
1
shinji YUASA
1
1順天堂大学医学部輸血学研究室
pp.1455-1462
発行日 1992年11月20日
Published Date 1992/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407901035
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輸血は大事な医療を支えてはいるが,それは一種の臓器移植である.したがって輸血ではウイルス感染,同種免疫などのリスクの他に,悪性腫瘍に対する輸血では免疫抑制作用や,さらに最近注目されているGVHDも胸部外科開心術に次いで担癌症例に多く認められている.これらのリスクに対しては厳重な検査およびフィルターや放射線照射等の対策が講じられているが,外科手術では安易な輸血を行うことなく,同種血回避のため自己血輸血が可能かどうかを常に考慮し,この安全である自己血輸血を推進していくことが必要である.
ここでは自己血輸血の方法,特に消化器外科への応用について述べる.
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