特集 輸血2018―限りある資源を安全に,有効に活用するために
さまざまな血液製剤とその適応
自己血輸血
牧野 茂義
1
Shigeyoshi MAKINO
1
1国家公務員共済組合連合会虎の門病院輸血部
キーワード:
貯血式自己血輸血
,
学会認定・自己血輸血医師看護師制度
,
自己フィブリン糊
Keyword:
貯血式自己血輸血
,
学会認定・自己血輸血医師看護師制度
,
自己フィブリン糊
pp.723-728
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika122_723
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Summary
▪同種血の安全性が向上した現在,自己血輸血を行う意義は,輸血後感染症回避のためではなく,周術期に用いる輸血用血液製剤の中心的役割としてである.
▪自己血輸血は同種血と同等の品質であることが求められており,そのためには,自己血輸血実施基準(指針)を遵守し,学会認定・自己血輸血責任医師および学会認定・自己血輸血看護師が共同で,自己血輸血を管理し,その適正化を図ることが望ましい.
▪自己血輸血には,貯血式,希釈式,回収式があるが,患者ごとにこれらを適宜組み合わせることによって,同種血輸血の減量や回避が可能となる.
▪自己血輸血に際し,細菌汚染・血管迷走神経反応(VVR)・過誤輸血に対するリスク管理が重要である.
▪自己血漿から作製する自己フィブリン糊は,術後合併症予防に有効である.
© Nankodo Co., Ltd., 2018