Japanese
English
特集 癌手術の補助療法—現状と展望
肺癌手術の補助療法
Surgical adjuvant therapy of lung cancer : Current status and the future
大田 満夫
1
1国立病院九州がんセンター
pp.1715-1722
発行日 1990年11月20日
Published Date 1990/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900308
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
肺癌切除例の生存率が低いのは,不顕性の遠隔転移(微小転移巣)が多いためと考えられ,補助療法が必要である.小細胞癌の治療成績は化学療法の進歩で向上し,外科切除は局所再発の防止に役立つ.adjuvant surgeryの適応はⅠ・Ⅱ期例である.非小細胞癌では,切除術が最良の治療法であり,次に放射線がくる.化学療法,免疫療法の力はまだ弱い.adjuvant chemoimmunotherapyが明らかな延命効果を有するとの成績はまだ得られていない.neoadjuvant therapyは切除率を上げるが,延命効果については検討中である.adjuvant radiotherapyの効果も明らかでない.肺癌手術成績の向上は,主に抗癌剤,化学療法の進歩にかかっている.微小転移巣の制圧さえできれば,切除成績は一挙に向上するであろう.
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.