Japanese
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特集 癌手術の補助療法—現状と展望
甲状腺癌手術の補助療法
Adjuvant therapy for thyroid cancer
山下 共行
1
,
藤本 吉秀
1
Tomoyuki YAMASHITA
1
,
Yoshihide FUJIMOTO
1
1東京女子医科大学内分泌疾患総合医療センター外科
pp.1707-1714
発行日 1990年11月20日
Published Date 1990/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900307
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甲状腺癌に対する補助療法として,放射線療法,化学療法,ホルモン療法があげられる.放射線療法には,外照射治療と内照射治療(放射性ヨード治療)がある.外照射は術後ルーチンの補助療法として行われることはほとんどなく,甲状腺未分化癌,悪性リンパ腫や乳頭癌,濾胞癌,髄様癌の転移例,浸潤例に対して用いられる.放射性ヨード治療は,ヨードを取り込むという甲状腺に特異的な性質を利用して,131Iを病巣に集積させて治療する方法で,前もって甲状腺全摘と,内因性TSHの上昇という前処置を要する。症例によっては完全寛解をうることができる.化学療法も術後ルーチンの補助療法としては行わず,外照射と同じく適応のある症例に用いられる.ホルモン療法は,内因性TSH分泌を抑制する量の甲状腺ホルモン剤を投与する方法で,広く行われているが,その臨床的有用性については依然Controversialである.
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