特集 保存的治療の適応と限界—外科から,内科から
二次性(腎性)上皮小体機能亢進症
内科から
鈴木 洋通
1
,
猿田 享男
1
1慶應義塾大学医学部内科
pp.1572-1574
発行日 1990年10月30日
Published Date 1990/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900274
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二次性副甲状腺機能亢進症は腎性骨異栄養症の中でも線維性骨炎を引き起こす主病因である.腎性骨異栄養症は線維性骨炎と骨軟化症とに分類されるが,臨床上は混在する症例も多くみられる.臨床症状(表1)としては,骨痛,多発性骨折,異所性石灰沈着,皮膚掻痒症などがあり,この中でも二次性副甲状腺機能亢進症と強く関連しているのは,異所性石灰沈着と皮膚掻痒症である.これらの骨病変の発展を防ぐために二次性副甲状腺機能亢進症を内科的,外科的に治療を行う必要がある.
内科治療を行う際には,その指標となるのは臨床症状以外では生化学検査が重要である.生化学検査は,表2にまとめたように,血清カルシウム,リン,さらにマグネシウム,アルカリフォスファターゼ,血清副甲状腺ホルモン(PTH),1,25(OH)2 D3がある.この中で,カルシウム,リン,アルカリフォスファターゼではPTHや1,25(OH)2D3と比し簡単に測定でき,かつよりよい指標となりうる.
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