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特集 外科医のための整形外科
肩関節脱臼
Dislocations of the shoulder
尾崎 二郎
1
Jiro OZAKI
1
1奈良県立医科大学整形外科
pp.847-853
発行日 1990年7月20日
Published Date 1990/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900136
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肩関節脱臼は人体の関節の中で最も発生頻度が高く,整形外科を代表する疾患の一つである,外傷性肩関節脱臼は,①前方脱臼,②後方脱臼,③垂直脱臼に大別されるが,90%以上は前方脱臼で後方脱臼は少なく,垂直脱臼はきわめて稀である.外傷性肩関節前方脱臼は再発しやすく,初回脱臼徒手整復後の外固定は重要である.また,本症は骨傷の他に腋窩神経麻痺の合併や中・高齢者での初回脱臼で腱板断裂の合併の可能性があるので見逃してはならない.さらに肩の動的安定性を形成している多くの因子が障害されると,肩関節脱臼までには至らなくとも,さまざまな「ゆるい不安定な肩」を生じることになるので肩関節脱臼との鑑別上重要となる.
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