Japanese
English
臨床報告
肝移植が施行された先天性胆道閉鎖症2例の臨床経過
Two caces of orthotopic liver transplantation: Postoperative care and problems
唐仁原 全
1
,
寺岡 慧
1
,
河合 達郎
1
,
林 武利
1
,
淵之上 昌平
1
,
太田 和夫
1
Tamotsu TOJIMBARA
1
1東京女子医科大学腎臓病総合医療センター第3外科
pp.649-654
発行日 1990年5月20日
Published Date 1990/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407900106
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はじめに
肝移植は,欧米においてはいまや肝不全に対する治療として確立されつつあるが,わが国では約20年前に2例が試みられたのみでその後臨床例は経験されていない.しかし,国内においても肝移植を希望する患者は年々増加しており,われわれの施設では,肝移植を強く希望する末期肝不全患者に対し,数年前より海外の施設への紹介を行ってきた.
1988年8月現在,肝移植を希望し当施設を訪れた患者は計22例であり,実際に肝移植を受けた症例は7例である.内訳はアメリカにおいて2例,オーストラリアにおいて5例であり,現在6例が生存中である.また現在待機中の患者が8例おり,3例はすでに海外においてドナーの出現を待っている.肝移植を希望しながら死亡した症例は8例である(図1).
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