書評
—一般社団法人日本肝胆膵外科学会(編)—肝胆膵高難度外科手術[Web動画付] 第3版
宮崎 勝
1,2,3
1日本肝胆膵外科学会
2国際医療福祉大三田病院
3千葉大・臓器制御外科
pp.453
発行日 2024年4月20日
Published Date 2024/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407214505
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日本肝胆膵外科学会が認定する高度技能専門医制度におけるその取得は,外科手術の実技面を重視した専門医制度として2011年に発足した専門医制度であり,またわが国において当時手術実技を重視し判定するといった専門医制度として初のものであり,多くの外科領域の医師に注目されたものであった.その後,内視鏡外科学会等でも同様の試みの制度が追随されるようになった.当時,肝胆膵外科手術は術後の致死率が決して他の外科手術の中でも低いとは言えず,手術リスクは高いものとして考えられていた.そのため日本肝胆膵外科学会は,手術を受ける方々にそのリスクを知ってもらうとともに,安心して高難度肝胆膵外科手術を受けていただくべく認定施設制度(A施設とB施設認定)を設け,それを広く公表したのである.それは患者さんに資する情報を提供したいと考えた上でのことであった.その際,施設のみでなく,確実に高難度外科手術を施行し得る外科医の育成およびその認定についても,併せて開始したというわけである.したがって,旧来の専門医制度に比べるとその専門医に合格するのには極めて高いハードルが設けられており,その分受験する医師にとっては,大変な苦労や努力を要すると言える.結果,取得した専門医には高いプライドおよび責任が与えられることになっている.2011年スタート時にはわずか12名の合格者であったが,その後徐々に受験者および合格者が増加してきている.しかしながら,ここ数年来の2020年代に入っても合格率はほぼ50%前後という狭き門ではある.ちなみに2022年の合格者は93名となっている.
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