書評
—一般社団法人日本肝胆膵外科学会(編)—肝胆膵高難度外科手術[Web動画付] 第3版
海道 利実
1
1聖路加国際病院消化器・一般外科
pp.345
発行日 2024年3月20日
Published Date 2024/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407214480
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
消化器外科手術の中でも肝胆膵外科手術は難易度が高い手術が多い.それゆえ,高難度肝胆膵外科手術を日本全国の皆さんに安全かつ安心して受けていただくことを理念として,2011年に日本肝胆膵外科学会高度技能専門医制度が立ち上げられた.その趣旨は,「高難度の手術をより安全かつ確実に行うことができる外科医師を育てる」ことであり,実技評価に基づき,術者とその修練施設を認定するものである.発足後,10余年を経て,2022年7月現在,高度技能専門医497名,修練施設288施設と,多くの高度技能専門医と修練施設が認定された.しかし,本制度は専門医の質を担保するべく,書類と手術ビデオにより厳密に審査が行われるため,合格率は50%前後と外科系基盤学会の専門医合格率(外科専門医合格率約95%,消化器外科専門医合格率約75%)と比べ,狭き門となっている.
そこで,高度技能専門医をめざす肝胆膵外科医や指導的立場の高度技能指導医が知っておくべき外科解剖や基本手技,偶発症に対する対処法,代表的な術式などを解説した公的テキストが本書である.2010年の初版,2016年の第2版を経て,今回,大幅に内容を改訂して2023年6月に第3版が発刊された.
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.