書評
—日本肝胆膵外科学会高度技能専門医制度委員会(編)—肝胆膵高難度外科手術(第2版)
平田 公一
1
1JR札幌病院
pp.974
発行日 2017年8月20日
Published Date 2017/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211706
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評者は,外科専門医取得者の約5%弱の外科医が肝胆膵外科高度技能専門医取得者という現状を,なんとか10%にしていただきたいと願う一人である.他に類を見ない徹底した認定制度—国民に説明責任を果たせる正確で厳しい制度として確立し,その制度の運用においても確かな検証業務が実施されていることが,最も厳しい制度との評判を呼んでいるゆえんであろう.したがって,周りの誰もが「あの先生は,確かに!」と頷く方が取得しているはずである.
評者もこの制度に若干なりともかかわらせていただいてきた.その経験からこれからの新規申請者,更新予定者にあえて述べたい.これまで,誰もが確かな肝胆膵外科の専門と認める医師であれば,彼らの手術記事を拝見すると,経験者である者としては「さすがである」あるいは「お主,やるな!」と感じる記載が随所にうかがわれるものであった.達成過程上の個別的特性,共通の課題点・困難点への対応,想定外操作対応の記載などにおいて先を見据え焦点を押さえた記載内容となっている.記載文のみならず,適切な図の多用と図内解説を加える姿勢については,それだけで“専門性の高さ”と“人柄の確かさ”をうかがい知ることができる.
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