Japanese
English
臨床報告
4年間の経過観察後に切除した盲腸炎症性偽腫瘍の1例
A case of inflammatory pseudotumor in the cecum caused by a fecalith
野々垣 彰
1
,
東松 由羽子
1
,
渡邉 卓哉
1
,
岩田 尚宏
1
,
梶川 真樹
1
,
渡邊 和子
2
Akira NONOGAKI
1
1岐阜県立多治見病院外科
2岐阜県立多治見病院病理診断科
キーワード:
炎症性偽腫瘍
,
盲腸
,
糞石
Keyword:
炎症性偽腫瘍
,
盲腸
,
糞石
pp.612-616
発行日 2022年5月20日
Published Date 2022/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213723
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要旨
症例は84歳男性で,大腸ポリープに対して4年前から,2年ごとに下部消化管内視鏡検査とCTが行われていた.当時から虫垂開口部に隆起性病変を指摘され,CTで虫垂根部付近に糞石を認めていた.隆起性病変の生検結果はGroup 1であった.4年後,虫垂開口部隆起性病変の生検結果は同様にGroup 1であったが,増大傾向で,悪性腫瘍の可能性を考慮し,腹腔鏡下回盲部切除術を施行した.切除標本では,盲腸に直径約20 mmの隆起性病変を認め,虫垂開口部は閉塞していた.病理組織学的検査で,炎症性偽腫瘍と診断した.大腸の炎症性偽腫瘍は比較的まれである.糞石の停滞による慢性炎症が原因となった可能性もあると考えられたため,文献的考察を加えて報告する.
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