書評
—下瀬川 徹,渡辺 守(監修) 木下芳一,金子周一,樫田博史,他(編)—専門医のための消化器病学 第3版
寺野 彰
1,2
1学校法人獨協学園
2獨協医大
pp.536
発行日 2022年5月20日
Published Date 2022/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213708
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『専門医のための消化器病学 第3版』が,2021年11月に上梓された.8年ぶりの改訂である.2005年4月に,小俣政男教授,千葉勉教授によって編さんされた本書は,「専門医」を対象にしたものであったから,初めからかなり高度な内容をめざしていた.その初心は,第2版そして今回の第3版へと受け継がれ,いわば消化器病学論文の集大成とでもいうべき記述で構成されている.
執筆者も若手消化器病学者を核として,われわれのようないわば高齢消化器病学者の名はほとんどみられず,新鮮な雰囲気を醸し出している.構成も,通常みられる全体としての総論,各論ではなく,いきなり食道疾患から入っている.そのいわば各論の中で,総論と各論を論じており,ある意味でわかりやすいと言える.内容も通常の記述に加えて,「Topics」や「専門医のポイント」などが挿入され,先に述べたような論文的な要素も加えてある.これらは本書の1つの特色ともいえる部分である.
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