増刊号 Stepごとに要点解説 標準術式アトラス最新版—特別付録Web動画
1.食道
頸部食道癌に対する手術
小池 聖彦
1
,
神田 光郎
1
,
小寺 泰弘
1
Masahiko KOIKE
1
1名古屋大学消化器外科
キーワード:
頸部食道癌
,
遊離空腸再建
,
頸部郭清
Keyword:
頸部食道癌
,
遊離空腸再建
,
頸部郭清
pp.4-8
発行日 2021年10月22日
Published Date 2021/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213482
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食道の機能は食事内容の胃までの移送であるが,上端は咽頭喉頭に連続し嚥下・発声の機能も担っている.したがって頸部食道癌の治療を考えるうえで,嚥下・発声機能の温存可否は慎重な検討が必要となる.喉頭を合併切除して発声機能を失うことはその後の生活に大きな後遺症となるが,喉頭の温存が可能な場合も治療による嚥下機能の低下が誤嚥リスクを増し,治療後の生活の質に大きな影響を残すことになる.また,頸部食道癌のリンパ節転移頻度は比較的高いとされているが,適正な郭清範囲や郭清効果については詳細な検討の報告が少ない1).こうした背景があり,頸部食道癌に対する手術については喉頭合併切除の有無,郭清範囲,再建臓器の選択において多くの選択肢があり,症例ごとに最適な術式が施行されているのが現状である.本稿ではなかでも最も基本となる,咽頭喉頭合併切除,頸部食道切除,遊離空腸による再建の手技をステップごとに解説する(図1).喉頭が温存可能な症例では,残存食道長が短くなることに配慮が必要であるが,別稿の食道亜全摘(森論文,26ページ参照)が行われることが多い.
*本論文中、[▶動画]マークのある図につきましては、関連する動画を見ることができます(公開期間:2026年10月末まで)。
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