Japanese
English
臨床報告
片側乳房に乳腺原発印環細胞癌を発症した両側乳癌の1例
Primary signet-ring cell carcinoma of the breast in a case of bilateral breast cancer
吉岡 遼
1
,
小笠原 豊
1
,
戸嶋 圭
1
,
中村 聡子
2
Ryo YOSHIOKA
1
1香川県立中央病院乳腺・内分泌外科
2香川県立中央病院病理診断科
キーワード:
乳癌
,
乳腺原発印環細胞癌
Keyword:
乳癌
,
乳腺原発印環細胞癌
pp.771-776
発行日 2021年6月20日
Published Date 2021/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213382
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要旨
症例は70歳,女性.7か月前から右乳房腫瘤を自覚しており,乳房超音波検査にて右乳房A区域に3.1 cmの区域性低エコー域を認め,針生検では印環細胞型分化を呈する粘液癌の診断であった.また,左乳房D区域には1.1 cmの低エコー腫瘤を認め,穿刺吸引細胞診にてclass Ⅳの診断であった.両側乳癌の診断にて右乳房全切除術,左乳房部分切除術,両側センチネルリンパ節生検を施行した.病理組織学的所見は,右乳腺は乳管癌由来の印環細胞癌,左乳腺は硬性型であった.術後補助療法として左乳房に対し残存乳房照射を施行した後,アナストロゾールを投与している.乳腺原発印環細胞癌はまれで,予後は不良とされており,厳重な経過観察が必要と思われる.
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