FOCUS
新型コロナ感染症の院内感染発生から収束までの経過と対策
瀧藤 克也
1
Katsunari TAKIFUJI
1
1済生会有田病院消化器病センター
pp.489-493
発行日 2021年4月20日
Published Date 2021/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213328
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
2019年12月,中国の武漢市で肺炎患者の集団発生が報告され,この原因となった新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染は瞬く間に世界中に拡大し,WHOは2020年1月30日に公衆衛生上の緊急事態を宣言した.2003年のSARS-CoV-1流行時は,わが国では旅行者1名の感染確認のみで,大過なく収束した.しかし,今回のSARS-CoV-2は特徴的なスパイク構造をもつヒトの鼻風邪コロナウイルスと同じコロナウイルスで,SARS-CoV-1と同じグループに属しながら,全大陸に蔓延し,なかなか感染収束の兆しが見えてこない.当院での新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の院内発生からほぼ1年が経過した.今回,当時の記録から,院内感染の発生から収束までの経過と対策について報告する.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.