Japanese
English
臨床報告
右下腹部痛を契機に発見された良性多囊胞性腹膜中皮腫の1例
A case of a benign multicystic peritoneal mesothelioma identified from the symptom of right lower quadrant pain
上田 弥生
1,2
,
浅野 博昭
2
,
谷口 厚樹
2
,
水田 悠介
2
,
香西 純
2
,
宮谷 克也
3
Yayoi UEDA
1,2
1岡山大学病院卒後臨床研修センター
2三豊総合病院外科
3三豊総合病院病理診断科
キーワード:
良性多囊胞性腹膜中皮腫
,
囊胞性腫瘍
,
摘出術
Keyword:
良性多囊胞性腹膜中皮腫
,
囊胞性腫瘍
,
摘出術
pp.1491-1495
発行日 2020年12月20日
Published Date 2020/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407213224
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要旨
患者は74歳,女性.右下腹部痛を主訴に来院し,腹部造影CT検査で盲腸から上行結腸外側に多囊胞性病変を認め,1年前と比較して増大傾向を認めた.画像検査では確定診断に至らず,多囊胞性病変の摘出術を施行した.腹腔内を検索したところ,大網にも同様の囊胞性病変を認めたため同時に摘出した.病理組織学的検査では,免疫組織化学染色でAE1/AE3, WT-1, calretinin, D2-40に陽性で中皮由来であり,良性多囊胞性腹膜中皮腫と診断した.肉眼的には完全切除できたが再発の可能性もあるため,今後も慎重な経過観察が必要と考えられる.
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