Japanese
English
臨床報告
右下腹部痛を契機に発見された肺癌虫垂転移の1例
A case of metastatic appendiceal tumor from lung cancer with the symptom of right lower abdominal pain
大熊 利之
1
,
宮村 俊一
1
,
飯田 伸一
1
,
池上 克徳
1
,
本郷 弘昭
1
,
二村 聡
2
Toshiyuki OKUMA
1
1山鹿市民医療センター外科
2福岡大学医学部病理学講座
キーワード:
肺癌
,
虫垂転移
,
転移性虫垂腫瘍
Keyword:
肺癌
,
虫垂転移
,
転移性虫垂腫瘍
pp.1229-1232
発行日 2013年10月20日
Published Date 2013/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104759
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要旨
症例は79歳,男性.右上葉肺癌(pStage ⅢA)術後約11か月時に右下腹部痛が出現し,当院呼吸器科を受診した.理学的に虫垂炎症状を,血液学的にCEAの上昇を認め,腹部造影CTにて回盲部に造影効果を有する腫瘤像を認めた.当科へ紹介後,大腸内視鏡検査で虫垂口から盲腸内腔に軽度突出する腫瘍を認め,内視鏡下生検でadenocarcinomaとの診断であった.そこで第一に原発性虫垂癌を考えたが,肺癌による転移性虫垂腫瘍も否定できなかった.回盲部切除術を施行し,術後の免疫染色も含めた病理組織学的検索にて肺癌の虫垂転移と診断された.肺癌術後の虫垂炎あるいは虫垂腫瘍に遭遇した際には,肺癌の虫垂転移を考慮し,PET-CTを含めた全身精査や術前に生検組織材料が得られれば免疫組織学的検索を行うことで術前に確定診断が得られ,治療方針の決定に有用であると考えられた.
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