Japanese
English
臨床報告
小腸軸捻転を経時的に追跡しえた小腸GISTの1例
A case of a small-intestine volvulus with sequential change caused by a jejunal GIST
片岡 温子
1
,
松永 理絵
1
,
佐藤 雄
1
,
秀野 泰隆
1
,
合田 良政
1
,
矢野 秀朗
1
Atsuko KATAOKA
1
1国立国際医療研究センター病院外科
キーワード:
小腸軸捻転
,
小腸腫瘍
,
GIST
Keyword:
小腸軸捻転
,
小腸腫瘍
,
GIST
pp.1287-1292
発行日 2018年10月20日
Published Date 2018/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407212205
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要旨
78歳,男性.腹痛で前医に搬送され,腹部CT検査で小腸腫瘍と小腸軸捻転を疑われ当院へ紹介された.CT検査を再検し,空腸腫瘍とその口側の限局的な小腸拡張,さらに上腸間膜動脈を中心としたwhirl signを認めた.小腸軸捻転による絞扼性イレウスとして緊急手術を施行した.Treitz靱帯を起点に空腸は180度反時計回りに回転していた.また,Treitz靱帯より20 cm肛門側には直径5 cmの腫瘍を認め,左上腹部背側に落ち込んで,回転した空腸を牽引して強く捻転していた.捻れを解除し,腫瘍を含めて小腸部分切除術を施行した.腸管壊死は認めなかった.病理組織学的検査ではGISTの診断であった.腫瘍による続発性小腸軸捻転は稀であり,さらに経時的変化を追跡できたため,若干の文献的考察を加えて報告する.
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