8年目のportrait・4
お・も・て・な・し
新里 陽
1
1東京大学大学院
pp.198
発行日 2018年2月20日
Published Date 2018/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211940
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- 文献概要
自分が学生だった10年前とは比べ物にならない頻度で,日本全国どこの街でも外国人を見かけるようになった.2020年の東京オリンピックに向けて益々その数が増えることは間違いなく,都内ではふと気づけば,駅員だって喫茶店の店員だって英語で接客できるようになっている.診察の際に英語対応を依頼されることも徐々に増えてきた印象だ.それにしても,日常英会話とは違って,医学的な内容を英語で伝えるのは意外と難しい.しかも,相手も英語ネイティブでなかったりすると,たどたどしい英語のキャッチボールが二人羽織のようにぎこちなくて笑ってしまう.
そんなときに強い味方になってくれるのがスマートフォンの通訳アプリである.無料のものから有料のもの,SNSを利用するものまで沢山のサービスが存在するが,幾つか比べてみた経験から言えるのは,どれもかなり高いレベルだということ.日本語の文を入力すると一瞬できちんとした文に通訳してくれる.単語の変換だけではないので,非常に助かる.そして単語力も抜群で,僕が使用している英語通訳アプリは医療用でない無料のものだが,「胸鎖乳突筋」も「遺伝性非ポリポーシス大腸癌」も一瞬で正確に訳してくれる.ほかにも中国語,ドイツ語,イタリア語,ロシア語,etc...とバリエーションも豊富で,果たして正しい通訳をしているのか確かめようがないけれど頼もしい限りである.
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