ひとやすみ・144
三つ子の魂百まで
中川 国利
1
1宮城県赤十字血液センター
pp.1350
発行日 2016年11月20日
Published Date 2016/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407211413
- 販売していません
- 文献概要
幼児期に体に染み込んだ魂は,大きくなっても影響を及ぼし続けるものである.医師となりたての研修医時代に叩き込まれた魂を,40年過ぎた現在でも守り続けている.
研修医時代,先輩研修医を見習い,医局の片隅に簡易ベッドを持ち込み棲み処とした.そして朝から晩まで,外来,病棟,手術室を立ち回り,「医師たるもの,頭から足のつま先まで,すべての疾患に対応すべし」とのボスの理念の下,臨床に明け暮れた.当時はそれが当然と思い,逆に臨床を離れると寂しさを覚えた.ただ三食を職員食堂で食べたが,電子レンジがない時代,一人で食べる冷え切った夕食が切なかった.
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.