増刊号 消化器・一般外科手術のPearls&Tips—ワンランク上の手術を達成する技と知恵
④十二指腸・小腸
クローン病の小腸・十二指腸病変に対する手術
中山 吾郎
1
Goro NAKAYAMA
1
1名古屋大学大学院医学系研究科消化器外科学
pp.85-90
発行日 2015年10月22日
Published Date 2015/10/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210937
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クローン病(Crohn's disease)は,小腸・大腸を中心とした消化管全域に発生しうる炎症性腸疾患であり,難治性の狭窄や瘻孔を生じる難病である.人口対10万人の有病率は約27人であり,2013(平成25)年度医療受給者証交付件数は39,799人で年々増加傾向にある1).
外科的治療によりクローン病が治癒することはなく,その役割はあくまで対症的である.すなわち,内科的治療でコントロールができない消化管の狭窄,瘻孔,膿瘍形成などに対して腸管切除などを行うことでQOLに影響を及ぼす病変を「リセット」し,寛解維持のための内科的治療へ橋渡しすることが外科的治療の目的である.
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