FOCUS
大腸外科領域におけるロボット手術の現況
清松 知充
1
,
石原 聡一郎
1
,
須並 英二
1
,
渡邉 聡明
1
Tomomitsu KIYOMATSU
1
1東京大学大学院医学研究科腫瘍外科学
pp.464-468
発行日 2015年4月20日
Published Date 2015/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210712
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はじめに
近年の医療技術の発展に伴い様々な手術支援ロボットが開発されてきたが,現時点で一般に臨床応用がなされているものは,米国のIntuitive Surgical社のda Vinci Surgical System(DVSS)のみである.DVSSによるロボット支援手術は,腹腔鏡手術の特徴である拡大視効果や,術者と助手の術野の共有,および手術創の小ささを含む低侵襲性などの利点を最大限に生かしながら,さらに視認性や操作性を高めた手術である.わが国では,泌尿器科領域では前立腺全摘術への保険適用を契機として急速な普及をみており,今後は消化器外科においても普及が見込まれているが,コストの問題など課題も多い.本稿では,大腸癌に対するDVSSを用いたロボット手術,特にその中心である直腸癌手術を主体として現状について報告する.
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