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特集 小児外科
胆道閉鎖症の治療—肝門部空腸吻合術の治療成績
Surgical treatment of biliary atresia: with special reference to the results of hepatic portoje junostomy
千葉 庸夫
1
,
大井 龍司
1
Tsuneo CHIBA
1
,
Ryoji OHI
1
1東北大学医学部小児外科
pp.1881-1886
発行日 1989年12月20日
Published Date 1989/12/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210579
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胆道閉鎖症の治療成績は吻合不能型に対する肝門部腸吻合法の開発,上行性胆管炎の予防術式としての種々の再建法の実施,術後管理の進歩などにより飛躍的な進歩がみられたが,術後の合併症により失う例が未だに多く,本邦での肝移植実施の必要性が指摘されている.われわれはこれまで255例の手術経験を有するが,最近では術後の胆汁排泄は100%で得られている.しかし黄疸消褪にまで至るのは7〜8割の例であり,黄疸なしの長期生存となると6割に減少する.この原因である合併症,特に上行性胆管炎や,肉芽形成による肝門部再閉塞を防ぎ,完全に治癒させることが治療成績向上に直接結びつくことであり,完全に実施し得れば9割以上の例を肝移植なしに治癒させ得る可能性がある,それには早期診断,早期治療,術後のきめ細かな管理が重要なポイントであることはいうまでもない.
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