特集 術後1週間の患者管理
膵管空腸吻合術
山本 賢輔
1
,
角田 司
1
,
伊藤 俊哉
1
,
土屋 凉一
1
,
西村 柳介
2
1長崎大学医学部第2外科
2西村外科医院
pp.569-573
発行日 1981年4月20日
Published Date 1981/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207666
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膵管空腸吻合術は慢性膵炎,膵石症がその主な適応疾患である,従つて,必然的に膵実質障害に伴う糖代謝障害が高率にみられるためこの方面の術後管理がまず第1に重要となる.血糖,尿糖,ケトン体のチェックを厳重に行ないインスリンによるコントロールをうまく行なうことが肝要である.
第2には膵実質そのものに侵襲が及ぶため術後の膵炎が問題となる.一旦これが発生すると縫合不全,出血などをひきおこし予後に重大な影響を及ぼす.術中の愛護的操作が何より必要なことであるが,術後は全身状態,血中尿中アミラーゼを追跡しつつ抗生物質による感染予防につとめ,抗トリプシン剤を十分に使用する.
このほか,大酒家が多いので栄養補給にも注意し,膵尾側切除,摘脾,乳頭形成術などが同時に施行されることがあるので創処置,ドレーンの管理にも細かく気を配る.
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