特集 鼎談
術中トラブルの予防と対策
肝臓手術
肝移植テクニックの導入
小澤 和恵
1
,
島村 善行
2
,
出月 康夫
3
1京都大学第2外科
2国立療養所松戸病院外科
3東京大学第2外科
pp.1478-1479
発行日 1989年9月30日
Published Date 1989/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210508
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小澤 私たちは現在,大きな肝癌の場合には必ず術中に肝臓を冷やすようにしております.そしてバイオ・ポンプを回します.移植のテクニックですが,そうしますと,血中ケトン体比の低下時間が大体1時間以内におさまり,この間に血管などの吻合,切除が全部終わってしまいます.普通の定型的な手術でそれをやれば,血中ケトン体比の低下はおそらく4時間くらい続くはずです.
出月 日本ではまだ肝移植ができませんが,小澤先生がいわれるように,肝移植のテクニックはいろいろな意味で肝臓外科に応用できます.しかもそれによって肝臓に対する侵襲を減らして,生体に対してプラスすることが十分可能だろうと思います.今後,術中の出血を防ぐとか,予めうっ血を防ぐとか,portalpoolingを塞ぐためのバイパスとかを積極的に利用する方向にいくと思いますが,他にも具体的に術中トラブル防止に役立つことがあればお願いします.1つはバイパスの問題ですね.これは先生のところではactiveで…….
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