Japanese
English
特集 外科臨床における病態別栄養
糖尿病合併および膵全摘後の栄養管理
Nutritional management of patients with diabetes mellitus and after total pancreatectomy
西松 信一
1
,
大柳 治正
1
,
宇佐美 真
1
,
植田 智樹
1
,
斎藤 洋一
1
Shinichi NISHIMATSU
1
1神戸大学医学部第1外科
pp.617-624
発行日 1989年5月20日
Published Date 1989/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210352
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
膵全摘後を含めて外科領域の耐糖能低下時には,創傷治癒と全身状態の回復,維持のため,大量のエネルギー投与を必要とすることが多い.したがって,病態生理をよく把握し,十分なエネルギーを投与しながら,インスリンコントロールすべきである.糖尿病患者の術前術後栄養としては,高濃度グルコースと必要量のインスリン,それにアミノ酸投与で管理可能ではあるが,GFX(Glucose:Fructose:Xylitol=4:2:1),BCAA richなアミノ酸,脂肪乳剤の併用が有効である.膵全摘後の輸液栄養管理は安定した血糖値の維持と,十分な栄養投与による手術侵襲からの回復促進,創傷治癒促進である.膵全摘術後経過は術後早期,移行期,維持安定期の3期に分けられ,血糖変動の最も激しい術後早期は,人工膵島による血糖コントロールが有効であった.
Copyright © 1989, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.