表紙の心・5
サン・コーム外科医組合の円型講堂
大村 敏郎
1,2
1川崎市立井田病院外科
2慶応義塾大学医史学
pp.685
発行日 1988年5月20日
Published Date 1988/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209997
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今月の表紙は1694年に完成した円型講堂(Amphithéâtre)で,聖コーム(St.Côme)を守護聖人とする外科医組合が建てたものである.
前回地図で示したコルドリエ通りに面した間口約20m,奥行約14.5mの土地を外科医組合が1691年に買いとり,3年がかりで作りあげた外科の殿堂である.時代がルイ14世(Louis XIV,1638〜1715)の治世下であったからか,建物のドームの頂上の所に大きな王冠がついていた.約100年後の1790年の絵でもこの冠は画かれているが,革命後のどさくさの中で王冠は取りはずされたようである,丁度その頃,聖コーム教会も破壊された.
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