文献抄録
乳児の肥厚性幽門狭窄症におけるペプタイド作動性神経支配
広部 誠一
1
1慶応大学医学部外科
pp.523
発行日 1987年4月20日
Published Date 1987/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209674
- 有料閲覧
- 文献概要
幽門狭窄症の原因について多くの説があるが,一致した見解はない.いくつかの研究では幽門筋の神経支配に着目している.最近古典的なアドレナリンやコリン作動性神経以外の自律神経の存在が明らかとなつてきた.その1つにペプタイド含有神経がある.腸管壁にはペプタドイ含有神経が豊富で,その多くは壁内神経が起源である.一般にペプタイドは腸管の運動,血流,内分泌および外分泌の調節に関与していると思われる.この研究ではvasoactive intestinal peptide(VIP),substance P,enkephalin,gastrin releasing peptide(GRP)の4つのペプタイドの幽門狭窄症の幽門筋における分布,密度を正常と比較した.
材料の幽門筋は5名の幽門狭窄症(以下PS)のRamstedtの手術施行時に得た.対照群は5名の他疾患の手術時に得た.パラフィン切片と凍結切片を作製し,各ペプタイドの抗体と反応させて間接免疫螢光法を用いて観察した.神経線維の密度は,0〜3+の4段階で評価した.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.