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特集 甲状腺癌の診断と治療
この診断法でどこまでわかるか—頸部単純X線検査とCT検査
Clinical value of neck roentgenography and CT in diagnosis of thyroid carcinoma
小原 孝男
1
,
金地 嘉春
1
,
鈴木 恵子
2
Takao OBARA
1
1東京女子医科大学内分泌外科
2東京女子医科大学放射線科
pp.553-558
発行日 1986年5月20日
Published Date 1986/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209311
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頸部側方軟線撮影の目的は,主に甲状腺腫瘤内の石灰沈着の有無を知ることである.これは腫瘤の手術適応の決定から質的診断に至るまで非常に役立つ.石灰沈着陰影のうち,とくに砂粒小体陰影に臨床的意義があり,甲状腺癌患者の約22%に検出される.これが認められれば乳頭癌の診断はほぼ確定的である.
CT検査は,甲状腺進行癌の隣接臓器への浸潤状況を知るに有用である.気管への浸潤は,内腔にまで突出した症例では一見して確認できる,気管の不整な変形,あるいは平滑な圧排性変形でも矢状方向3cm以上に及ぶ場合には浸潤が疑われる.食道浸潤は,食道と癌とが直接に接し,その間の脂肪層が3cm以上にわたつて見えない時には疑わしい.総頸動脈が変形して造影される時には浸潤を考える必要がある.
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