Japanese
English
特集 Iatrogenic Abdominal Trauma—その予防と対策
血管造影検査によるIatrogenic Trauma
Iatrogenic trauma of angiography
草野 正一
1
,
村田 晃一郎
1
,
大内 寛
1
,
池田 俊昭
1
,
田所 克巳
1
Shoichi KUSANO
1
1北里大学医学部放射線科
pp.1067-1073
発行日 1985年8月20日
Published Date 1985/8/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407209082
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過去Seldinger法で行つた腹部血管撮影4,417件を対象に血管撮影の合併症を調査,検討し,その対策を報告した.血管撮影と関連して死亡したのは2例で,これらの死因は,1例は肺塞血栓症,残りの1例は穿刺動脈からの大量出血であつた.血管造影検査翌日の安静臥床解除時に起こる肺塞血栓症に対する対策としては,1)穿刺部圧迫固定の早期解除,2)巨大骨盤腫瘤,心肺疾患などのhigh risk groupに対する抗凝固療法の強化,3)安静解除時の十分な監視が必要である.血液凝固機能が著しく低下した患者で,穿刺動脈からの出血を圧迫止血できない場合には,手術的止血が有効である.その他,血管内膜損傷,カテーテル自身のトラブル,下肢塞血栓症,造影剤による合併症などについても述べた.
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