特集 〔Q & A〕術中トラブル対処法—私はこうしている
胃・十二指腸手術
郭清ができるとおもいブルゼクトミーを始めたら腹腔動脈幹が腫瘍でうまり,処置が困難
前田 昭二
1
,
湯浅 鐐介
1
1前田外科病院外科
pp.763
発行日 1984年6月20日
Published Date 1984/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208663
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的確な判断は手術にとつて重要な条件の1つである.開腹時いきなりブルゼクトミーにとりかかる事なく,壁側腹膜,ダグラス窩など観察の上,また血管の処理が可能か否か充分検討をするのが当然である.ブルゼクトミーも大網の脂肪,血管の少ない病変部より出来るだけ離れた部位に電気メスにて切開を加えブルザの中より,胃後壁,膵上縁,膵尾部附近を観察し左胃動脈,腹腔動脈の処理が可能か否かをまず判断すべきである.この際腹壁,腹腔内の腫瘍細胞による汚染をさけるため極力無駄な操作はしない様にする.切除不能な場合は大網をほぼ横行結腸にそつた位置に復元し,マイトマイシン20mgを腹腔内投与する.又1,000〜2,000 mlの生食水で腹腔内を洗浄しておくのも良い.
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