画像診断 What sign?
"Pseudokidney" sign
佐藤 豊
1
1聖マリアンナ医科大学放射線科
pp.533
発行日 1984年4月20日
Published Date 1984/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208609
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消化管病変の最も直接的な画像診断法は消化管造影検査であるが,消化管壁の肥厚を伴う腫瘍性あるいは炎症性病変においては病巣が腫瘤として触知され,腹部腫瘤検索の一環として超音波検査が造影検査に先立つて行われることも多い.この場合,超音波像は周囲をやや低いエコー帯により囲まれ中央に高いエコー領域を有する,一見,腎のエコー像と類似したいわゆる"pseudokidney" signを呈する.また,この所見は"target"あるいは"bull's-eye" lesionとも称される1,2).周囲の低エコー帯は肥厚した腸管壁,腫瘍そのもの,あるいは腫脹した腸間膜や大網などを,また中央の高エコー領城は腸管粘膜あるいは粘液による所見であると考えられている.この所見は表に示すような種々の病変でみられ,必ずしも病変の良・悪性などの質的診断に直接結びつくものではないが,腫瘤が消化管起源であること,および次に行われるべき検査が,消化管造影であることを示唆するものである.
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