Japanese
English
特集 胃・十二指腸潰瘍
手術適応と術式の選択—Zollinger-Ellison症候群
Zollinger-Ellison Syndrome
杉山 貢
1
,
土屋 周二
1
Mitsugu SUGIYAMA
1
,
Shuji TSUCHIYA
1
1横浜市立大学医学部第2外科
pp.1599-1605
発行日 1983年11月20日
Published Date 1983/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208480
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
近年,radioimmunoassayの進歩と普及により,各種の消化管ホルモン,なかでもgastrinの血中濃度が容易に測定出来るようになり,Zollinger-Ellison症候群(以下Z-E症候群)の診断に有力な手段となつた.今回,本症候群の本邦報告例の集計結果と自験例より病態・診断・治療方針(手術適応と外科療法)について述べる.
1955年,Zollinger & Ellison1)は膵島性非β細胞腫を合併した2例(女性)の難治性消化性潰瘍を報告し,以下の特徴的所見をあげている.①大量の胃液(酸)分泌がある.②通常の薬物および外科治療では潰瘍の再発をみる.③膵島性非β細胞腫が存在する.またその発生と病態を"ulcerogenic humoral factor of pancreatic islet cell origin"に起因すると述べている.EisemanとMaynard2)(1956年)はこれらの3徴候を有するものをZollinger-Ellison症候群と命名した.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.