Japanese
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特集 胃・十二指腸潰瘍
内科的治療とその限界
Turning point to surgery from medical treatment of peptic ulcer
岡部 治弥
1
Haruya OKABE
1
1北里大学医学部内科
pp.1569-1573
発行日 1983年11月20日
Published Date 1983/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208475
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はじめに
近年,消化性潰瘍に対する薬物療法の進歩により,多くの病院において手術症例が以前にくらべこの10年来目立つて減少していたが,さらにヒスタミンH2—受容体拮抗剤という,いわば革新的治療薬の出現により,今や消化性潰瘍には外科的治療はほとんど不必要になつたのではないかという期待が生じていた.しかし,一方,本剤による治療後の再発問題が登場して来るに伴い,ヒ・H2—受容体拮抗薬にしても,必ずしも外科的手術に代りうる薬剤では無さそうであるとする認識が広まつて来た.
そこで,外科的治療が依然として必要であるとすればどのような状態においてその適応があるのであろうか,すなわち内科的治療の限界は,どこにあるのかということで本主題(表題)が筆者に与えられたようである.従つて,その答えは,従来の手術適応1)に対し,現時点での手術適応を比較し,そこに何らかの相違点が生じているとすれば,それが現時点における内科的治療法の限界ということになろう.以下に筆者の考えを述べる.
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