ここが知りたい 臨床医のためのワンポイントレッスン
高血圧患者術後早期の降圧剤の選び方・使い方は?
平澤 博之
1
K. W.
1千葉大学医学部第2外科
pp.1462
発行日 1983年10月20日
Published Date 1983/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208454
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A;高血圧症治療の原則は,血圧を適切なレベルに維持し,脳,心臓,腎臓等の高血圧のtarget organの障害の進行を抑え,合併症を予防し,患者の長寿を全うさせる事にある.したがつて,高血圧症患者における術後管理も,あくまでもこの基本方針の延長上にある事を,まず念頭に置くべきである.
術後高血圧症を呈する患者に接した場合,まずその高血圧の原因が何であるかを十分に検討すべきである.高血圧症患者の大部分は,いわゆる本態性高血圧であるが,他に原因の明らかな二次性高血圧として,腎血管性高血圧症や,副腎皮質ないし髄質の病変(pheochromocytoma)による高血圧症等がある.さらにsymptomaticなものとして,術後疼痛や,排尿困難といつた,ごく単純な原因で高血圧を呈する患者もあり,これらsymptomaticな高血圧症患者では,その原因を除去してやれば,通常血圧は下降して来る.
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