特集 外科外来マニュアル
私の治療
総論
外来における麻酔法の実際
美濃部 嶢
1
1中央鉄道病院麻酔科
pp.810-815
発行日 1982年5月20日
Published Date 1982/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407208035
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□概説
外来における麻酔の方法については,次の二つに大別される.一つは,現在一般に外科系外来で行われる小手術,例えば皮膚縫合,簡単な皮下腫瘤摘出術,膿瘍切開術などに対する外科医自身によつて実施される狭義の局所麻酔法であり,他の一つは主として専門の麻酔科医によつて実施される伝達麻酔,全身麻酔による外来患者に対する麻酔法であり,対象は小児の上記手術や,鼠径ヘルニア,皮膚移植,気管支鏡,食道鏡などの諸検査,リンパ節などの生検,脱臼・骨折の非観血整復術などである.後者は医療に対する経済性,小児の入院による精神的打撃などに対する配慮から,わが国でもriskの少ない,かつ術後の処置をあまり必要としない手術症例に対して,実施される傾向となつて来た.
本項では主として前者の外来における麻酔法について述べ,後者に対してはその概略を紹介することとしたい.
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