Japanese
English
特集 人工呼吸管理のPit fall
Fightingに対する処置法
How to manage fighting with ventilator
瀬戸屋 健三
1
Kenzo SETOYA
1
1東京厚生年金病院麻酔科
pp.355-359
発行日 1982年3月20日
Published Date 1982/3/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207910
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Fightingとは何か
人工呼吸中の厄介な合併症に器械に対するFighting(戦い)というものがある事は誰でも知つているが,さてFightingとは何かという明解な定義は成書に記されていない.Shapiro, B. A.1)らのRespiratory Careの本によれば"out of phase with ventililator"の場合に患者は人工呼吸器(Ventilator)に対してFightしているという.これに反して器械の休止期すなわち呼気が終了したあと次の呼気加圧が始まるまでの間に患者が自発吸気運動を起こすのは"breathing around ventilator"と称して,前のout of phaseにくらべればずつと心配のいらない事であると区別している.
昔の人工呼吸器ではEngström ventilatorなどのようにtime cycledの調節呼吸専用器械があり,患者の換気需要が亢進してきた場合に設定時間以外に自然吸気が開始されても,補助呼吸が出来ないタイプであつたから,安全性のために自発吸気で回路の内側に開く弁が組込んであり,室内空気を自由に吸える機構が必須であつた.これらがbreathing around ventilatorであつて吸気酸素濃度や湿度の低下があるものの気道内圧(回路内圧)の急上昇もなく,ほとんど心配のないものであつた.この機構を発展して行けば最近のIMVも自然吸気呼気は自由にさせるという点に類似性が感じられる.
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