Japanese
English
臨床研究
菌血症症例におけるDIC発生に関する臨床的検討
The relationship between bacteremia and disseminated intravascular coagulation
田中 孝也
1
,
安井 達
1
,
中川 佳己
1
,
浅尾 寧延
1
,
引間 正彦
1
,
千代 孝夫
1
Takaya TANAKA
1
1関西医科大学救命救急センター
pp.1763-1767
発行日 1981年11月20日
Published Date 1981/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207836
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はじめに
近年,重症感染症の起炎菌はグラム陰性菌がその主体をなし,従来のグラム陽性菌感染とはかなり異なつた病態を呈してきている.このグラム陰性菌はエンドトキシンを産生するため高率にショックを合併してくる.しかもエンドトキシンは血管内凝固症候群(DIC)を発生させる大きな誘因因子とされている.したがつて敗血症,菌血症にDICを合併すれば,その病態はさらに複雑多岐となり,その予後は極めて重篤なものとなる.
私どもの施設では各科に亘る重症救急患者の収容,治療にあたつているため重症感染症例に多々遭遇し,しかもおのずとDIC発生症例も多くなる.DICは種々の基礎疾患に各種の誘因が加わり発症してくるものの,そこには宿主側の要因も大きく関与してくる.今回,私どもは菌血症症例におけるDIC発生およびその予後の重篤度等を検討した.
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