Japanese
English
手術手技
経回結腸静脈胃・食道静脈瘤閉塞術
Trans ileocolic vein obliteration of gastroesophageal varices
植田 俊夫
1
,
磯部 義憲
1
,
筒井 竹人
1
,
青木 幸範
2
,
安藤 正英
2
,
石橋 武彦
3
Toshio UEDA
1
1慶応義塾大学医学部付属病院放射線診断部
2佐久総合病院内科
3佐久総合病院外科
pp.685-694
発行日 1979年5月20日
Published Date 1979/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207163
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はじめに
門脈圧亢進症に伴う胃・食道静脈瘤の治療法としてLunderquist & Vangにより新しい方法が1974年に報告された1).彼らは経皮経肝胆管造影に際して行なわれるのと同様の手技を用いて,門脈内へカテーテルを挿入し,更に胃・食道静脈瘤への側副路となつている左胃静脈,短胃静脈へとカテーテルを選択的に挿入の上,それらの静脈を閉塞させたのである.多くの研究家達がこの手技を採用し,胃・食道静脈瘤の治療を志している2,3,5-7).われわれの経験では経皮経肝胃・食道静脈瘤閉塞術は,行なうに常に易く,且つ期待したカテーテルの操作性が得られるとは言い難い.
1978年6月以来,われわれは佐久総合病院において,新しい手技による胃・食道静脈瘤閉塞術を5症例に施行した.われわれは虫垂切除術に似た開腹術を施行し,回結腸静脈からカテーテルを体内へ挿入し,上腸間膜静脈を経由して,カテーテル先端を門脈あるいは脾静脈内へ導き,更に胃・食道静脈瘤への側副路へ選択的にカテーテルを挿入した上,そのカテーテルを通して塞栓物質を注入し静脈瘤を消失せしめた.
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