Japanese
English
臨床報告
乳房の顆粒細胞性腫瘍の1例
Granular cell tumor of the breast;report of a case
森本 忠興
1
,
北村 宗生
1
,
角田 悦男
1
,
小柴 康
1
,
園尾 博司
1
,
藤原 晴夫
1
,
長崎 彬
2
Tadaoki MORIMOTO
1
1徳島大学医学部第2外科
2高知赤十字病院外科
pp.129-131
発行日 1979年1月20日
Published Date 1979/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407207098
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はじめに
顆粒細胞性腫瘍granular cell tumorは1926年Ab—rikossoff1,2)にょり顆粒細胞性筋芽細胞腫granular cell myoblastomaの名称で最初に報告された比較的まれな腫瘍である.その発生部位は舌その他の耳鼻咽喉科領域に多く,四肢や躯幹の発生頻度がこれに次いでいる.まれには呼吸器,消化器,泌尿生殖器などの内臓にも見られ,身体の到るところから発生することが知られている.乳房における本腫瘍の報告はまれであり,わが国におけるものは私どもが調査し得た限りでは5例にすぎない.本腫瘍の肉眼的性状が乳癌のそれに似ていることから,乳癌との臨床鑑別が重要であるが,本腫瘍は組織学的検査により初めて診断されるものである.
最近,私どもも乳房に発生した本腫瘍の症例を経験したので若干の考察を加えて報告する.
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