講座 皮膚縫合の基本・5
Atraumatic Operation
大塚 寿
1
1北里大学医学部形成外科
pp.742-748
発行日 1978年5月20日
Published Date 1978/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206955
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
図1はガラスによる左示指の外傷で,受傷後3週半で紹介された症例である.いわゆるno man's land(Zone 2)内の浅・深指屈筋腱断裂であり,数年前までは良好な機能回復が困難とされていた(この場合は指神経断裂も伴つていた).
手術用ルーペを使用し,針つきナイロン糸を用いて,(浅指屈筋腱の除去後)深指屈筋腱の直接縫合がなされ,同時に2本の指神経吻合も行なわれた.術後1年を経ているが正常な機能回復がえられている.手の外科はやや専門的な領域であり,外科医の方々にとつて直接参考にならない手術であろうが.atraumatic operationの基本を理解するには都合がよい.
Copyright © 1978, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.