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特集 逆流性食道炎
術後逆流性食道炎とその対策—胃全摘
Reflux esophagitis after total gastrectomy and its management
岡島 邦雄
1
Kunio OKAJIMA
1
1岡山大学医学部第1外科
pp.1097-1103
発行日 1977年9月20日
Published Date 1977/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407206802
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はじめに
麻酔ならびに手術手技の向上,術前,術後管理の進歩により外科治療はますます拡大され,しかも安全に行なえるようになつたが,手術に伴う術後後遺症への対策もなおざりにできぬ問題である.
最近は胃全摘術が容易に施行されるようになつたが,胃全摘術の後遺症として術後逆流性食道炎と貧血がある.胃全摘術後貧血は注意深く管理すれば解決できるが,術後逆流性食道炎は再建方法に負うところが多く,術式が直接に関係するため,術後管理により根本的に症状の改善をはかりうるものでない.この逆流性食道炎の強度なものでは,胸やけ,胸痛などのため食事すらとることができず,さらに横臥すれば胸やけ,逆流を起こすため睡眠不足となり,ついには全身衰弱をきたし,癌再発を疑わせるほど重篤になる.一方,胃全摘術後の再建方法は現在多くの術式が発表されている(図1,2).多くの方法があるということは,裏返せばこれといつた決め手がないということにも通ずるものであろう.この目標とする決め手とは,逆流性食道炎の防止と消化吸収機能低下の防止である.
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